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第二章


とにかく安さ第一に考える人々が、吸い込まれるように集まる不思議な宿だ。「住めば都」とはよく言ったもので、慣れればそれなりに居心地がよく、居れば居るほどに顔見知りが増え話し相手には不自由しない。

時には一元客が口コミでたどり着くのだが、とくに女性の場合は、顔ぶれと会話の内容に、震え慄き数時間で逃げ出すときもあった。

生きた2チャンネラーから、その風体が視覚に入るだけで、女性がセクハラを感じたり、身の危険を感じるような輩も居る。

しかしそれらは、本人にはなんら罪も無く、悪気も無い。ただ生まれ持った個々の風体、性格によるだけであり、基本的に善人の集まりである。

まだ、まだ、寝て居たい気だるい朝、照り返しでむさ苦しい日中の昼寝の一時に、何時もの面々の野郎だけの話し声が聞こえてくる。
写真掲載本人許可済 カオサン界隈 PCゲストハウスにて